暗黒美無王の作り給うた至上のNeoVimプラグインの一つである、Deniteの拡張をPythonで書いてみる。
Sourceについて
簡単な例から
ごたくはともかく、とにかくコードである。その方が日本語よりも通じるはずである。
from .base import Base
class Source(Base):
def __init__(self, vim):
super().__init__(vim)
self.name = 'hoge'
self.kind = 'hoge' # <-今は気にしない
def gather_candidates(self, context):
return [
{ 'word': 'This is first entry', },
{ 'word': 'This is second entry', },
]
こんなものを <プラグインディレクトリ>/rplugin/python3/denite/source/hoge.py
に置く。自分は ~/.vim/rplugin/python3/denite/source/hoge.py
においている(正直この辺の仕組みよく分かってない)。
Vim内から :Denite hoge
で呼び出せるようになるので、実行すると以下のようになる。
いい感じ。
もう少し発展
上の例では物足りない。なぜなら我々ギークがやりたいことを実現するためには同期的な処理だけでは済まず、シェルスクリプトやコマンドを非同期で実行しなければならないからだ。Deniteの非同期処理の書き方には作法がある。
以下を <プラグインディレクトリ>/rplugin/python3/denite/source/hoge2.py
として書いた。
from .base import Base
from denite import util, process
class Source(Base):
def __init__(self, vim):
super().__init__(vim)
self.name = 'hoge2'
self.kind = 'hoge'
def on_init(self, context):
context['__proc'] = None
def on_close(self, context):
if context['__proc']:
context['__proc'].kill()
context['__proc'] = None
def gather_candidates(self, context):
args = ['echo', str(context['args'])]
# args = ['ls', '-l'] # cwdはどこ?
context['__proc'] = process.Process(args, context, context['path'])
outs, errs = context['__proc'].communicate(timeout=0.5)
if errs:
return [{ 'word': x, } for x in errs]
context['is_async'] = not context['__proc'].eof()
if context['__proc'].eof():
context['__proc'] = None
return [{ 'word': x, } for x in outs]
Denite本体の Denite file/rec
などを参考に書いた。'__proc'
フィールドにProcessを入れるのはDeniteとのやりとりのためではなく単にon_close()
でkill()
するためである(内部の仕組みはわからないがSource
オブジェクトの寿命が不定?)。
communicate()
の返り値の第一値は出力だが、改行ごとにsplitされたlistになっている。コメントアウトしてあるls -l
を流してみるとわかりやすい。 そして:Denite hoge2:fuga:piyo
と実行したのが以下の通りである。
Sourceに対して:
区切りで与えた引数が、context['args']
で拾えていることが分かる。とりあえずここまでできればあとはなんとでもなりそうな気がしてくる。
Kind
何かを表示することができたので、次にエントリに対して何かをやってみる。具体的には、開いたり、消したり、プレビューしたりとかである。そのやれることを定義したものがKind
である。
from denite.base.kind import Base
class Kind(Base):
def __init__(self, vim):
super().__init__(vim)
self.name = 'hoge'
self.default_action = 'piyo'
def action_piyo(self, context):
# 複数エントリを選択できるので配列で周ってくる
for target in context['targets']:
self.vim.command('call append(line("."), "{}")'.format(target['word']))
def action_fuga(self, context):
for k, v in context.items():
self.vim.command('call append(line("."), "{}: {}")'.format(k, str(v)))
以下を <プラグインディレクトリ>/rplugin/python3/denite/kind/hoge.py
として書いた。
上で作ったSourceの self.kind = 'hoge'
というのが self.name = 'hoge'
に対応することになる。default_action
でSourceのエントリで単に<CR>
を押したときに発火するアクションを決める。この場合はaction_piyo()
が実行される。
def action_fuga(self, context):
と定義することでfuga
アクションが追加されているのが分かる。このままpiyo
やfuga
を選べばaction_piyo()
やaction_fuga()
が実行される。見ての通りSourceで選んだものを好きなように処理できるので、ここから先はあなたの完全なる自由の世界というわけである。
さいごに
「$ git log
をSourceに流して、選んだコミットで変更されたファイルを並べる」拡張を作ったので(むしろこれを作りたいがためにDenite拡張について勉強した)、下にリンクをおいておく。
dotfiles/vim/rplugin/python3/denite at master · endaaman/dotfiles
見た目はこんな感じ。
今回の記事には書いてないけどハイライトを付けている。やっぱり色があるとそれっぽく見えて良い。